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2008 年度 実績報告書

マイクロ起振器と統計学的信号処理による構造物の簡易損傷検出手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18760354
研究機関九州大学

研究代表者

古川 愛子  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00380585)

キーワード損傷検出 / マイクロ起振器 / 統計学 / 信号処理
研究概要

マイクロ起振器を用いた振動実験による構造物の損傷検出手法の開発に関する研究に取り組んでいる.
振動特性に基づく損傷同定手法は, 一般に, 低次の構造物全体が振動するモードを利用するため, ある部材の局所的な損傷は, 全体系の振動特性の変化に影響を及ぼす. ある地点の振動データが損傷によって変化した場合に, その変化を生じさせる損傷の可能性のある部材は構造物全体に及ぶため, 損傷を同定するときは, 構造物の全要素の剛性低下率が未知数となる. 一意な解を得るには, 未知数の数よりも多い観測点数が必要なので, 高密度観測が必要となり, 振動計測に膨大な労力と時間が必要になる.
以上のように, 従来の振動特性を利用した構造物全体系の損傷同定手法は, 構造物の規模が大きくなり複雑になるほど, 実現が困難なものとなってしまう. 構造物全体の同定を行うのでなく, 着目したい部材だけの振動を計測して, 着目したい部材だけの剛性低下率を同定することができれば, 振動計測の労力が削減できる.
本研究では, このような同定を局所損傷同定と呼び, マイクロ起振器を用いた局所損傷同定の実現可能性について検討を行った. マイクロ起振器によって, 微動よりは高く, 超音波よりは低い振動数で構造物を起振し, 着目したいエリアの局所振動を励起させ, 局所同定を行うことを考えた. 提案手法は, 十分に高い振動数で起振すれば, 局所エリアで計測された応答に, エリア外の損傷が及ぼす影響が無視できる程度に小さくなることに基づいている.
4径間連続桁橋モデルを対象とした数値シミュレーションによって, 局所損傷同定が可能となる起振振動数について検討を行い, 有用性を検証した. 16kHz以上の高振動数で起振すれば, 着目した橋脚の応答に, 桁や他の橋脚の損傷が及ぼす影響が無視できる程度に小さくなることを確認し, 少ない数のセンサで, 少ない数の計測で, 局所同定が可能となることを確認した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 高振動数領域のフーリエ振幅を用いた局所損傷同定2008

    • 著者名/発表者名
      古川愛子, 大塚久哲
    • 雑誌名

      応用力学論文集 11

      ページ: 27-37

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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