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2006 年度 実績報告書

強混合型の感潮河川における底質フラッシュと再堆積過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18760380
研究機関首都大学東京

研究代表者

横山 勝英  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10347271)

キーワード水工水理学 / 底泥 / 高濁度水塊 / SS / 堆積 / 洪水 / 浸食 / 回転粘度
研究概要

本研究では感潮河道の地形・底質変動特性を明らかにすることを目的として,筑後川感潮域において月ごとに横断測量と底質採取を行い,河床の変動状況と底質物性の分布・変動状況を詳細に調べた.
シルト・粘土の堆積が著しい10kmと14km地点に観測点を設定し,2005年5月から12月まで地形の横断測量と底質採取を行った.サンプルは含水比,土粒子密度,強熱減量度,粒度分布を測定し,さらに回転粘度試験を行った.また潮汐や洪水による土砂の移動状況を把握するために,濁度計により土砂濃度をモニタリングした,
7月と9月には平均年最大流量を少々上回る洪水が発生した.各洪水によって河床は1〜1.5m浸食された.含泥率は10km地点では洪水後に大幅に低下しており,含水比変化を参考にすると締め固まった砂質分が河床に出現したと言える.これは洪水時の堆積物ではなく過去の河床材料と考えられる.14kmでは含泥率の変化は無かったが含水比が低下したことから,洪水によって表層浮泥が洗い流されて古い締め固まった泥が出現したと考えられる.これらより,洪水によって表層浮泥がフラッシュされたことが確認された.
洪水から1ヶ月を経過すると河床が0.5m程度上昇し,含水比が約100%増加した.したがって新規に浮泥が堆積したと考えられる.河床が上昇した時期には洪水時よりも高い濁度が発生していた.濁度は半月周期で見ると大潮期に最大を示し,半日周期で見ると上げ潮で最大値を示し,満潮で低下した.したがって,潮汐による土砂輸送量は大潮期に卓越しており,正味通過量は上流側に向いていると考えられる.以上から高濁度水塊の運動により1ヶ月という短期間にSSが感潮河道に堆積して河床が上昇したと推測された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 温度計測に基づく感潮河道の底泥浸食過程に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      横山勝英, 金子祐, 高島創太郎
    • 雑誌名

      水工学論文集 51

      ページ: 877-822

  • [雑誌論文] 筑後川感潮河道における地形・底質の季節変動に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      横山勝英, 山本浩一, 一寸木朋也
    • 雑誌名

      海岸工学論文集 53

      ページ: 471-475

  • [雑誌論文] 筑後川感潮河道における1950年代以降の底質変化と河床変動の関係2006

    • 著者名/発表者名
      横山勝英
    • 雑誌名

      海岸工学論文集 53

      ページ: 586-590

  • [雑誌論文] 河川感潮域表層底泥の再懸濁に関する現地実験2006

    • 著者名/発表者名
      山本浩一, 横山勝英, 田中晋, 熊田康邦
    • 雑誌名

      海洋開発論文集 21

      ページ: 799-804

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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