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2007 年度 実績報告書

河川おける難分解性有機物輸送量に着目した流域の人間活動許容量の算出

研究課題

研究課題/領域番号 18760381
研究機関足利工業大学

研究代表者

横尾 善之  足利工業大学, 工学部, 准教授 (90398503)

キーワードTOC / DO / 河川流量 / ADCP / 渡良瀬川 / 流域 / DOC / 物質収支
研究概要

本研究は,河川流量・水質観測を通じて河川水中の全有機物および難分解性有機物の物質収支や時空間変動を把握し,土地利用・人口分布データとの比較によって流域の有機汚濁機構の推定を目指している.本年度は,以下の3点に取り組んだので,その成果を以下にまとめる.
(1)渡良瀬川における難分解性有機物の流下量および物質収支の推定
難分解性有機物の濃度は,昨年度(横尾ら[2007])の結果を踏まえて採水100日後の全有機炭素濃度(TOC)であるとした.この濃度に,超音波式流向流速計(ADCP)で測定した河川流量を乗じて難分解性有機物の流下量を計算した.この流下量を渡良瀬川沿いの3地点で測定し,群馬県旧桐生市および栃木県足利市を対象として難分解性有機物の物質収支を計算した.その結果,旧桐生市より足利市の方が難分解性有機物を多く排出している傾向を初めて示すことができた.
(2)流域人口と土地利用が難分解性有機物の流下量に与える影響の評価
互いに隣接した旧桐生市と足利市は土地利用状況も類似しており,両市の違いは人口に代表される.そこで,足利市の人口と難分解性有機物排出原単位の関係を求めた.この図は,足利市が目指すべき将来の河川水中の難分解性有機物濃度を設定すれば同市が許容できる人口を直感的に求められるものであり,環境を保全しながら同市が発展するシナリオ作りの基礎資料となり得る.
(3)渡良瀬川下流域における有機汚濁機構の全体像の解明
今年度は,渡良瀬川下流域における有機汚濁機構の全体像を解明するには至らなかったが,河川中の全有機物および難分解性有機物の濃度は流域人口と関係している可能性を示した.これは,難分解性有機物は腐食植物などに由来するだけではなく,人間活動を通じても排出されることを示している.同様のデータを蓄積し,同流域の有機汚濁機構の全体像の解明に迫ることが今後の課題である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 難分解性および易分解性有機物濃度の推定法に関する検討2007

    • 著者名/発表者名
      横尾善之・市川修一・久保綾子・佐藤淳史・上岡充男・長尾昌朋
    • 雑誌名

      水文・水資源学会2007年度研究発表会要旨集

      ページ: 108-109

  • [雑誌論文] タンクモデルとL-Q式による松田川の水質変動の推定2007

    • 著者名/発表者名
      上岡充男・長尾昌朋・横尾善之
    • 雑誌名

      土木学会第62回年次学術講演会講演概要集

      ページ: 141-142

  • [学会発表] 難分解性および易分解性有機物濃度の推定法に関する検討2007

    • 著者名/発表者名
      横尾善之
    • 学会等名
      水文・水資源学会2007年度研究発表会
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念学術交流館
    • 年月日
      2007-07-27

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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