研究課題
今年度は、インフラプロジェクトの発注者である公共主体と受注者の間の元請契約に着目して、リスクが複数存在する下での、最適なリスク分担構造の導出を試みた。具体的には、最もシンプルな2つのリスク要因が存在している下で、発注者・受注者ともにリスク要因に対するコントロールが可能な状況を想定した複数リスクのアンバンドリングモデルを定式化し、最適な契約構造を導出した。また、多くの大規模なインフラプロジェクトでは、通常、複数の受注者がジョイントベンチャーを形成して、プロジェクトを受注する。あるいは、元請が別の請負者に下請として工事を発注するケースもある。このように、プロジェクトに複数の受注者が存在するケースを想定し、上述の元請契約における複数リスクの最適リスク分担構造において明らかになった受注者が負担すべきリスクについて、複数の受注者がリスクを分担するモデルを定式化した。とくに、ジョイントベンチャー契約と下請契約では、複数リスクのアンバンドリングに関して異なった構造を有している。受注者問での複数リスクのアンバンドリング構造を分析は、元請契約で適用するようなシンプルなプリンシパル=エージェントモデルはそのまま適用することができない。また、受注者間の利益配分の方法も現実にはいくつかのバリエーションが存在している。そのため、ジョイントベンチャー契約や下請契約を包含する一般的な受注者間の複数リスクのアンバンドリングモデルを定式化した。その結果、ジョイントベンチャー契約と下請契約における複数リスクのアンバンドリング構造の観点から、本質的な相違について分析した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
土木学会論文集D Vol.62,No.3
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