研究課題
インフラプロジェクトでは、複数の(実際には多数の)リスク要因が存在していることが通常である。しかし、複数リスク下における、プロジェクトリスクの最適なリスク分担構造について、未だ理論的な裏付けによって導かれたものは存在しない。現実には、インフラプロジェクトに伴うリスクは、発注者(公共主体)・請負者間の元請契約、ジョイントベンチャーであれば、請負者間のJV協定、さらに下請が存在する場合には、下請契約といったそれぞれの契約関係で、リスク分担構造が定義されている。インフラプロジェクトにおいて複数存在するリスクは、それぞれの契約で各ステークホルダー間に分配され、いわゆるアンバンドリングされることになる。本研究では、インフラプロジェクトにおける複数リスクのアンバンドリングを考慮した最適リスク分担構造を、合理的意思決定モデルあるいはゲーム理論を用いることによって、演繹的に導き出すことを目的とする。平成18年度までは、インフラの建設段階のみに対象を絞った上で、インフラプロジェクトにおける複数のリスクのアンバンドリングモデルを定式化した。近年では、民間資金を活用したインフラプロジェクトの検討及び導入もわが国で検討されており、海外ではすでに多くの事例が存在している。民間資金をしたインフラプロジェクトのスキームは、金融機関がステークホルダーとなる上に、想定される民間企業に期待される能力も変化する。平成19年度では、特に、発注者である公共主体、民間企業及び金融機関の三者に対象を絞り、プロジェクトに含まれる複数リスクのアンバンドリングモデルを定式化し,効率的なリスク分担構造を明らかにした.
すべて 2007
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