研究概要 |
本研究では, (1)諸外国における観光地入り込み客数および観光客意向調査実施の実態把握, ならびに(2)周遊パターンを考慮した観光地入り込み客数の推定, 以上の2点について取り組んだ. 先ず, (1)については, 日中韓それぞれのサンプルを対象として, 国内宿泊旅行, 国外旅行の実態把握を目的として, Web調査を用いて535サンプル(日本 : 330, 中国 : 120, 韓国 : 88)のデータを収集して分析を行った.特に, (1)観光情報入手時の利用媒体, (2)国内宿泊旅行の特性, (3)国外旅行の特性に着目し, 対象国別の差違を確認できた. また, 観光客意向調査では, 日光, 箱根の観光者の行動・評価の特性把握を目的とし, 比較のため外国人観光者と日本人観光者を対象とした質問紙調査を実施した.両観光地において日本人観光者の多様な立ち寄り行動がみられた.日光・外国人観光者では期待の最も高い観光対象が訪問率の高い観光対象と一致し, 全体評価も比較的高く, 訪問箇所が分散していた箱根・外国人観光者とは異なる評価特性を示した. また, 自然に対する事前期待がより高かった箱根・外国人観光者は事後評価で日光を下回った. これより, 観光対象側の資源の違いとともに評価者が来訪前に持っていた期待が事後評価に影響を与えていたことが考察できた.
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