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2008 年度 実績報告書

液状化・側方流動地盤における非線形挙動時の杭の変形・破壊モードの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18760417
研究機関東京工業大学

研究代表者

鈴木 比呂子  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60401527)

キーワード地震 / 液状化 / 側方流動 / 杭基礎 / 耐震設計 / 破壊
研究概要

単杭を用いた側方流動実験, および, 応答変位法に基づき, 曲げ剛性が杭の変形・崩壊モードに与える影響を検討し, 次のことを示した. 1)振動台実験において地盤変形の増大にともない, 杭の曲げひずみは大きくなる。しかし, 高剛性杭の曲げひずみは最大値を取った後に小さくなるのに対し, 低剛性杭ではそのような傾向は見られなかった. 2)1)のことは, 地盤の側方流動進行過程において, 地盤変形の増大, 変形の繰り返し等により地盤反力係数, および地盤反力極限値が低下し, この影響が高剛性杭で顕著になるためと考えられる. すなわち, 高剛性杭は, 地盤に抵抗するため地盤との相対変位が大きく, 降伏に至る前に地盤反力が極限値に達する. 一方, 低剛性杭は, 地盤に追従するため相対変位が小さく, 極限地盤反力に達する前に降伏に至ると考えられる. 3)表層非液状化層の影響は, 高剛性杭で大きく低剛性杭で小さくなった. これは, 低剛性杭が先端で降伏して, 相対変位が小さくなることで, 非液状化層からの荷重も小さくなるためと考えられる.
また, 2×2の群杭を用いた側方流動実験では, 杭の強度が杭の変形・崩壊モードに与える影響を検討し, 次のことを示した. 1)高強度杭, 低強度杭の挙動は, 弾性範囲内であれば, 大きな差は見られなかった. しかし, 地盤変形が増大すると, 高強度杭は杭頭でのみ降伏したのに対し, 低強度杭は杭頭および液状化層下端で降伏した. 2)高強度杭は陸側杭より海側杭で歪みが大きくなったのに対し, 低強度杭は陸側杭, 海側杭のひずみは同レベルだった. これは, 高強度杭は,相対変位が大きくなり, 地盤のダイレイタンシー特性に群杭の海側と陸側で差が生じるのに対し, 低強度杭は, 2点ヒンジができたことで地盤に追従して変形し, 相対変位が小さくなるため、杭の両側地盤でのダイレイタンシー特性に差が生じなかったと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of ground displacement on piles with different strengthduring laterally spreading in centrifuge test2009

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Suzuki and Kohji Tokimatsu
    • 雑誌名

      Proc. of Sixth International Conference on Urban Earthquake Engineering

      ページ: 549-554

  • [学会発表] 入力地震動が地盤と杭基礎構造物の動的相互作用に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      杉本良介, 蓑和健太郎, 鈴木比呂子, 時松孝次
    • 学会等名
      2008年度日本建築学会大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 入力地震動が地盤-杭基礎構造物相互作用に与える影響の実験的検討2008

    • 著者名/発表者名
      杉本良介, 時松孝次, 鈴木比呂子, 蓑和健太郎
    • 学会等名
      第43回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2008-07-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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