研究概要 |
実験I エネルギー吸収デバイス内蔵非構造壁の挙動を調べる実験 縦スリットを有する1.2,2.3,4.5mm厚の鋼板を木板または補強モルタル板でアンボンドで面外補剛した問柱型の履歴型ダンパー(制振壁)試験体11体を製作した。既存の上下の梁の平行を維持する装置付きの裁荷フレームに固定し、500kNジャッキで水平載荷した ロードセルと変位計のデータから制振壁の復元力特性を調べたほか、ひずみゲージおよび変位計を用いて鋼板の塑性化の進展や面外変形を測定した。制振壁の損傷を調査し、面外補剛法の有効性を確認した。 実験II 鉄骨系骨組における非構造壁の挙動 試験体は、基本寸法が幅2150mm×高さ1250mmのロ形の骨組にコンクリート壁またはスリット入り鋼板制振壁を取り付けた6体に対して一定軸力下繰返し水平力載荷を行った。 主な調査項目は、(1)梁の曲げモーメント分布、(2)柱および方たて壁の負担せん断力であり、これらはH形鋼のフランジに200mm間隔で貼付するひずみゲージのデータから測定した。ほかに、(3)壁のせん断変形を調べ、これは変位計を用いて測定した。また、(1)と(2)からわかる各変形レベルでの非構造壁から骨組に伝達される応力分布に基づいて、骨組解析用の非構造壁と等価な骨組解析用のモデルを提案した。 試験体のほかに、鉛直力裁荷用の梁、構面外変形を防止するフレーム、非構造壁が壊れるのにともなう鉛直方向の伸びを抑制する装置、試験体の移動のためのフレーム付き台車、試験体を載荷梁に固定するための装置、変位計を固定するフレームを製作した。
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