研究課題
建築音響分野における波動数値解析技術をさらに発展させるため、室内音場の最終的な評価に用いられる聴感評価にも耐えうる程度のインパルス応答を計算可能な音場予測方法の確立を目指して研究を行っている。本年度はその基礎的段階として下記の検討を行った。[1]計算手法の改善・改良(1.1)計算アルゴリズムの高精度化 多点差分を用いた差分スキームを採用することにより計算精度を向上させる方法を定式化し、精度評価を行った。この方法により、計算機容量を増加させることなく、より高い周波数成分を含む応答を計算できる。(1.2)境界面インピーダンスの計算法 境界面を機械系にモデル化・置換して音響インピーダンスの周波数特性を反映させる方法を検討し、現場実測および縮尺模型実験結果との対応を調べることによりその有効性と問題点を明らかにした。[2]縮尺模型実験による音響的境界条件の影響評価 境界条件に関する検討として、複数の吸音壁面・吸音性床面、座席列をもつ小ホールを想定した縮尺模型を作成し、FDTD解析における吸音境界条件の計算方法の妥当性について検討した。今年度の検討では吸音境界については多孔質材料のみに関する検討にとどまったが、音響インピーダンスを適切に計算に考慮することにより、残響時間、エネルギーの時間推移について高い精度で計算することができることを確認した。[3]実物ホールの実測結果との対応 [1][2]を踏まえ、実物ホールの境界面インピーダンスを実測して数値計算に反映させ、計算結果と実測結果を比較することにより、その適用性を検討した。検討結果は昨年度開催の国際会議にて成果発表し、今年度論文として投稿することを予定している。
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2007年日本音響学会春季研究発表会講演論文集
ページ: No.1-3-7
Acoustical Science and Technology Vol.27 No.6
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Journal of Acoustical Society of America Vol.120,No.5
ページ: 3006
Proceedings of WESPAC 9
ページ: No.550
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Acoustical Science and Technology (未定)(採録決定)