研究概要 |
1.気象官署の1分間気象観測値の欠測補充とクオリティーコントロール 気象官署の1分気象観測値および時別気象観測値の欠測状況を調べた。1分観測値が欠測であっても、気象官署の時別観測値あるいはアメダス時別観測値に正常値が記録されている場合があることが判明した。そのため、1分気象観測値の欠測補充処理に気象官署とアメダスの時別観測値を併用することで、1分間気象観測値のクオリティーを高めることが可能となった。 2.毎時の標準年気象データから毎分データを造成する手法の基礎的検討 時別降水量から1分単位の平均的な降水量データを造成する手法を検討した。 3.1分間波長別日射量の推定法の検討 日射の波長選択性のあるガラスや塗料などの評価には波長別日射量が必要どなる。毎分標準年気象データの全天日射量に基づいて、任意の天候における波長別の全天日射量、天空日射量、赤外域日射量、光合成有効放射量を推定するモデルを開発した。波長別全天日射量の推定では、晴天指数、土アマスに加えて新たに可降水量をパラメータに導入することで、水蒸気による日射吸収の影響を考慮でき推定誤差の改善が図れた。ここにいう赤外域日射量とは波長域が1.06〜3μmの積分値であり、水平面全天日射量から波長別全天日射量(0.35〜1.05μm)と紫外線(UVA,UVB)の観測値を差し引いて求めた。水平面全天日射量に対する赤外域日射量の比率を晴天指数と可降水量から推定する重回帰式を作成し、実用的な推定精度を有することを明らかにした。
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