通風現象を解明するに当たり、重要な役割を示す建物周辺気流予測について、とりわけ重要度の高い風圧係数分布の予測手法についての検討を引き続き実施した。概ね単純形状建物の予測精度は確保できたため、形状の異なる住宅を対象とした検討を実施した。乱流モデルにdurbinリミタ(α=0.8)を導入した改良型k-εモデルを用い、マルチブロック法により屋根部分のメッシュ分割を施した。風圧係数分布及び周辺気流分布は風洞実験と良好な対応を示した。また、種々の建物形状について、実際の住宅地を想定したグロス建蔽率10%、20%、40%における予測精度について検討し、棟部分における剥離流の再現性に課題を残したが、結果は風洞実験と概ね対応した。 通風時の室内側気流予測のために研究代表者らが開発した室内通風シミュレーターについて、通風の高度利用のために屋根面を用いた際の再現精度について検討した。流入角度に若干の相違は見られるものの、室内気流の形成パターンは概ね良好な対応を示した。
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