研究概要 |
成果1:釧路町遠矢地区公営住宅の温熱環境実測,エネルギー実測結果 遠矢公営住宅は,1階はシルバーハウジング(高齢者用住宅)として計画されており,その廊下を住戸南側に設け,冬季間の日射取得により暖かい縁側のような廊下を確保し,住民同士の良好なコミュニティー形成を促す仕掛けとして計画されている.この集合住宅の温湿度を測定し,南側廊下の平均温度は13.1[℃](外気温平均値は1.3[℃])で,1月にはいっても昼間には温度が20℃を超えることもあり,外気負荷の削減やコミュニティースペースとしての活用が期待できる温度になっていることがわかった.また,居室への給気温度の測定期間の平均値は23.1℃であり,外気を直接熱交換器に導入した場合(熱交換効率を100%として計算した)の室給気温度との比較をすると,平均では約10[℃],最高で約20[℃]の差が生じていることがわかった. 成果2:北海道道東地域におけるASHP給湯器の動作状況 ASHP給湯器は寒冷な北海道道東地域では,凍結事故や効率の低下が懸念され,現在もまだ普及していないが,GCSと組み合わせることによって昼間の運転ではCOPが2程度で動作し,約二時間で100[L]の沸き上げが可能ということがわかった.沸き上げのスケジュールにさえ気を配れば十分使用可能であり,一年を通して使用すればこの地域においても省エネルギーに寄与できる設備であるということがわかった.
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