住宅の建設地域や生活パターンごとに躯体性能に適した暖冷房設備計画方法を作成することを目的とし、(1)年間一次エネルギー消費量計算、(2)室内環境評価(ここでは、暖房開始時の室温の立ち上がり時間予測および作用温度の計算を対象とした)を行う。本年度は(1)年間一次エネルギー消費量の計算を行うために、以下に挙げる項目に取り組んだ。 i)暖冷房設備のエネルギー特性の把握 人工気候室内に建つ木造住宅において、ルームエアコンディショナおよびガス熱源の温水暖房を設置し、暖冷房負荷や設定室温、外気温湿度などの運転状況や運転方法を変えて、部分負荷ごとにエネルギー特性を把握した。 ii)年間一次エネルギー消費量の計算方法の作成 上記実験結果を踏まえ、暖冷房負荷から一次エネルギー消費量を計算する方法を作成した。その際、ルームエアコンディショナおよびガス熱源の温水暖房については上記実験結果を踏まえて作成した。温水パネル、電気床暖房などその他の暖房機器については既往文献をもとに作成した。 iii)負荷計算条件の整理および負荷計算 既往文献・調査等を参考に、暖冷房の運転パターンや内部発熱量パターンなどについて整理した。整理した負荷パターンおよび運転パターンに基づいて、建設地域、暖房パターン、建築種別ごとに年間負荷を計算した。 iv)年間一次エネルギー消費量の計算 iii)で求めた負荷計算結果とii)で作成した一次エネルギー消費量の計算方法を用いて、暖房機器ごとに年間一次エネルギー消費量を計算した。暖房機器容量や放熱器の大きさなどのパラメータを増やして年間一次エネルギー消費量を計算する予定であり、そのうち一部の計算を本年度に実施した。
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