本研究では、インターネット上の双方向・開放型の地理情報システムである「カキコまっぷ」を、1つの共通するインターネット上の地図を複数の団体が使用できるようにし、必要に応じて複数の団体の情報、すなわち異なるテーマの情報を重ね合わせて表示して議論できるようなシステムとして改良することの意義を検証することを目的としており、平成18年度は当該システムの改良・開発をおこなった。 また、狭い地域に限定しての活用では様々なテーマを持ついくつもの団体を対象とすることができず、加えて、これまでのシステムでは活用団体自らが地図を用意する必要があったので活用できる団体が限られるという課題が明らかになっていたため、より多くの団体の活用を促して情報の重ね合わせの効果を検証するためには、東京23区を対象とした地図(ベースマップ)を自由に使用できるように、地図提供サーバを組み込んだ。 従来のカキコまっぷの基本的な機能を継承しつつ、具体的には、次のような機能を追加した。 ・東京都23区を対象とした、縮尺に応じて表示形式が自動的に変更される地図を提供する。 ・ユーザ登録をすることで、各団体は各自のテーマに応じた「レイヤー」を自由に作成することができる。 ・各団体は各自の好みに応じて、表示するレイヤー、すなわち選択したテーマを重ね合わせて表示することができる。 平成19年度は、本システムを各種団体に提供し、実際の運用を通じて、本システムが提供する機能の有用性を検証することとする。
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