IFデータベースは現段階で予想される多種多様な問題に対応しているが、本研究では特に下記の3分類(IF環境)に絞り、21世紀の国際的な社会問題である人口問題や難民問題、それから生まれた衛生管理の問題、また地球環境に対する負荷の低減、大規模災害に対する有効な改善策を見出すことを目指した。 (1)Temporary-Infra: 被災地など、一時的にインフラが崩壊した場合 大都市居住者のエネルギーや水の使用量は、経済発展のために、今後も増大の一途をたどる。こうした大都市で災害が起き、既存インフラが麻痺した場合でも、一定期間豊かな生活を維持できることを目的とする。 (2)No-Infra:途上国における開発途上地域や未開地など、インフラが十分でない場合 インフラの未整備地域の一般生活者、又は天災・人災リスクの高い地域の環境難民、経済難民、戦争難民及び極地的環境の居住者への生活の保障を目的とする。中国、中南米を始めに、インフラが十分でない国々との協力関係の構築を図ることを目的とする。 (3)Self-Infra: 先進国における開発途上地域や未開地など、インフラを自ら選択できる場合 現在の環境先進国の郊外住宅地の開発は消費型社会を基盤としているため、住宅の運用に伴う環境負荷や消費量増大に歯止めがかからない。そこで、資源循環型社会へ転換することで人々の資源節約意識が働き、自然とともに暮らす生活の質を高める都市や住宅開発、または古民家などのストックが持続可能な改修手法の有り方を目指している。 平成19年度は前年の研究結果を基にした模型試作による実験とモニタリング。インフラフリー技術の個別要素を適用・実験可能な実物モデル縮小型模型の製作。一般企業への技術移転を前提としたモデル施設の紹介や技術提携、専門者との意見交換、課題の抽出。成果の「インフラフリー技術図書」としてとりまとめた。
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