高野山東側集落においては、主要道路が走る中心部分へ向かって集落は縮小し、特に規模の小さな島のような離れがある場合は、そこから縮小する傾向が見られた。民家の跡地の管理方法は、高野槙を植えることが最も多く、地域の生業による特徴が表れる結果となった。また、主要道路の周辺に荒れ地、平地が多く存在する傾向があるが、見通しの確保や集落景観への影響も大きいことから植林は行われておらず暫定的な利用となっている。このことから、跡地管理の方法を考えることは集落の維持管理にもつながるため、重要な課題の一つと考える。行事については、集落の人々の年齢が、高齢に近づいた頃と考えられる約20〜30年前、急激に衰退していったことがわかった。また、縮小に伴い集落のまわりにある民家の住民が中心にある空き家へと移り住むケースが見られ、人口が減少する中でも、住民同士のコミュニケーションが取りやすく主要道路にも近い利便性に配慮した集落形態を形成していることが考えられる。 イギリスでは、大都市圏を越えた地方圏のまとまりで経済面・社会面・環境面の向上に貢献しうる低未利用地を含む緑のインフラづくりが進められている。全体計画を策定し実行する部署がないため、北西部では関連自治体による公的機関と民間企業が共同で定期的に会合を開いて情報交換を行うとともに、北西部を5つの準地域(Sub-region)に分けて検討を進め、ランカシャーが先行的に戦略案をとりまとめたところである。
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