研究概要 |
本研究は、17世紀後半のインドの貿易都市において、ムムガール朝の建築様式と西欧からの商人が持ち込んだ西欧建築が融合して独自の発展を遂げた建築群-特に霊廟建築-の実態を明らかにし、英国における風景概念生成との関係を探る'ことを目的とする。初年度である平成18年度は、基礎資料の収集を行うと共に、インドの英国人墓地がいかなるものであったかという点を、現地調査を通じて把握するための研究活動を行った。 まず、国内での資料収集を行った上で、平成18年8月に約2週間、英国ロンドンに赴き、British Library, Victoria & Albert Museum, Guilt Hall Library, John Soane Museum, Royal Institute of British Architectなどの機関において、東インド会社の活動および関運する資料の収集を行い、インドの留易都市発展における英国の役割について考察を行うため基礎資料を得た。 更に、平成18年12月から平成19年1月にかけての約一週商の期間、インドの都市スラトなどにおける英国人墓地を現地調査し、霊廟建築の実態を把握すると共に、研究資料としての記録写真撮影を行った.また、インド国立公文書館付属考古学中央図書館、インド考古学協会ヴァドダラ支部などにおいて、本研究課題関する関連資料を収集した。 こうした現地調査・資料収集と並行して、次年度の研究に生かすため、収集した資料および写真の整理作業を准めた。また、研究成果の一端を『「風景概念」の形成期における非西欧圏文化の影響-サー・ジョン・ヴァンブラの建築作品とラストにおける霊廟建築』にまとめ、日本建築学会大会において口頭発表した。
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