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2007 年度 実績報告書

クオラムセンシングシグナルの分解系を用いた細菌病制御技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18760588
研究機関宇都宮大学

研究代表者

諸星 知広  宇都宮大学, 工学部, 助教 (90361360)

キーワードクオラムセンシング / アシル化ホモセリンラクトン / Shewanella / アシラーゼ / 魚病細菌 / バイオフィルム
研究概要

昨年度の本研究において、アユ腸内フローラからアシル化ホモセリンラクトン(AHL)分解細菌Shewanella sp.MIB015株を単離し、本菌株からAHLアシラーゼ遺伝子(aac)のクローニングに成功した。本年度は、aacの機能解析およびクオラムセンシング阻害効果の検討を行った。aacをpGEM-TeasyベクターのT7プロモーター下流に挿入したプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)株に形質転換後にIPTGにより発現を誘導し、様々なアシル鎖の構造を持つAHLに対する分解活性を調べた。その結果、最もアシル鎖長の長いCl2-HSLに対する分解活性が最も高く、アシル鎖長が短くなるに従って分解活性が低下することが明らかとなった。さらに、アシル鎖部位の3位の炭素がオキソ体となったAHLに対する分解活性も調べたところ、未置換のAHLに比べて分解活性が低下することが明らかとなった。これらの性質は、既知のAHLアシラーゼの性質と似通っていたことから、MIB015株由来Aacも既知のAHLアシラーゼと同様の性質を有することが明らかとなった。次に、Aacによる魚病細菌のクオラムセンシング抑制効果について検討を行った。魚病細菌Vibrio anguillarumはAHLを介したクオラムセンシングによりバイオフィルム形成などの病原性を制御している。そこで、V.anguillarumにAac発現プラスミドを導入したところ、AHL生産が消失し、バイオフィルム形成量が親株の約40%にまで低下していた。以上より、Aacの導入は魚病細菌のクオラムセンシング阻害に有効であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] N-Acylhomoserine lactone regulates violacein production in Chromobacterium violaceum type strain ATCC 12472.2008

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Morohoshi, et. al.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiology Letters 279

      ページ: 124-130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of quorum sensing in Serratia marcescens AS-1 by the synthetic analogs of N-acylhomoserine lactone2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Morohoshi, et. al.
    • 雑誌名

      Applied and Environmental Microbiology 73

      ページ: 6339-6344

    • 査読あり
  • [学会発表] アユ腸内フローラ由来アシル化ホモセリンラクトン分解遺伝子を用いた魚病細菌制御2008

    • 著者名/発表者名
      諸星知広, 中澤成寿, 江幡淳, 加藤紀弘, 池田宰
    • 学会等名
      日本農芸化学会2008年度大会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      20080326-29
  • [学会発表] Long-chain acylhomoserine lactone-dependent quorum sensing in Chromobacterium violaceum ATCC 12472, in contrast to well-known CV026 biosensor2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Morohoshi, et. al.
    • 学会等名
      3rd ASM Conference on Cell-Cell Communication in Bacteria
    • 発表場所
      Austin, USA
    • 年月日
      20071007-10
  • [学会発表] アユ腸内共生細菌におけるQuorum Sensingシグナリングの解析2007

    • 著者名/発表者名
      池田宰, 諸星知広, 江幡淳, 中澤成寿, 加藤紀弘
    • 学会等名
      環境バイオテクノロジー学会2007年度大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20070626-27
  • [学会発表] アユ腸内細菌由来アシル化ホモセリンラクトン分解酵素によるバイオフィルム形成阻害2007

    • 著者名/発表者名
      池田宰, ら
    • 学会等名
      Bacterial Adherence & Biofilm第21回学術集会
    • 発表場所
      東邦大学
    • 年月日
      2007-07-07
  • [図書] バイオフィルムの基礎と制御-特性・解析事例から形成防止・有効利用まで2008

    • 著者名/発表者名
      諸星知広, ら
    • 総ページ数
      38-45
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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