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2006 年度 実績報告書

磁性酸化鉄表面認識ペプチドを用いた生体分子固定化技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18760589
研究機関東京農工大学

研究代表者

新垣 篤史  東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (10367154)

キーワードペプチド / タンパク質 / ディスプレイ / 酸化鉄 / パニング / 磁気微粒子
研究概要

機能性タンパク質分子を磁気微粒子表面に固定化する技術の開発を目的として、酸化鉄結晶認識ペプチドのスクリーニングを行い、これらの特異性、吸着における機構の解析を行った。
1.酸化鉄結晶と高い親和性を持つペプチド配列のスクリーニング
12残基のランダムペプチドをディスプレイしたファージを用い、各種酸化鉄磁気微粒子に特異的な相互作用を有するファージの選抜を行った。特に、応用において有効と考えられる磁気特性に優れるマグネタイト、マグヘマイト、バリウムフェライトに加え、常磁性の水酸化鉄に対する吸着特異性について検討を行った。ファージの磁気微粒子に対する吸着と増幅を6回繰り返し行い、特異性の高いペプチドを選択的に回収した。得られたファージのシークエンスを決定し、それぞれの磁気微粒子と親和性を持つペプチド配列を決定した。その結果、パニング操作5回目以降に特異的なペプチドが得られた。その特徴として、N末端にセリン、バリンの繰り返し配列を持ち、C末端にはプロリン、アルギニンを持つ塩基性のペプチドであった。マグネタイトとバリウムフェライトの磁気微粒子を用いた検討からは、ほぼ同一の配列を有するペプチドが得られた。
2.得られたペプチドの酸化鉄結晶への吸着メカニズムの解析
スクリーニングにより得られたシークエンスに基づいてペプチドを合成し、粒子状のマグネタイト結晶への吸着機構の解析を行った。ペプチドの吸着量は、タンパク質定量、及び蛍光ラベルによって定量的に評価した。その結果、末端領域の配列が吸着に重要な役割を果たすことが判明した。ソフトウェアによる構造予測から、これらのペプチドはランダムコイルを取ることが推定された。また、既に磁性細菌の基礎研究から得られているマグネタイトに強固に吸着するタンパク質Mms6との構造的な共通性は認められず、Mms6とは異なる吸着メカニズムを持つことが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular analysis of magnetotactic bacteria and development of functional bacterial magnetic particles for nano-biotechnology.2007

    • 著者名/発表者名
      T.Matsunaga, T.Suzuki, M.Tanaka, A.Arakaki
    • 雑誌名

      Trends in Biotechnology 25・4

      ページ: 182-188

  • [図書] Magnetoreception and Magnetosomes in Bacteria (Molecular Bioengineering of Bacterial Magnetic Particles for Biotechnological Applications) の項を担当2006

    • 著者名/発表者名
      T.Matsunaga, A.Arakaki
    • 総ページ数
      319
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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