研究概要 |
本研究では圧力分布と摩擦力分布の同時計測法を提案する.今年度は,摩擦力測定の検証実験と圧力計測の感度特性試験を行った.本研究では物体表面にゲルなどの粘弾性材料をコーティングして,その歪量から摩擦力測定を行なう.物体表面に作用する流体摩擦力によって,コーティング材が変形する.この歪量を画像計測することで摩擦力測定を試みる.幾つかのコーティング材について物性試験を行った.コーティング材の作製方法を工夫することで,様々な特性を得ることができた.理論解析により,実験条件に応じて適切な物性値を選べることを示した.コーティング材の歪量は画像相関法を用いて測定できる.画像処理プログラムの作成を行い,データ処理上の問題点を調べた.実証実験として,平板境界層の摩擦力測定を行った.レイノルズ数を変化させて実験を行った.歪量と力の校正方法として,In-situ法とa priori法の二つが考えられる.実験式と比較して,いずれも良好な結果を得ることができた.幅広い速度範囲で適用できることが分かった.非定常摩擦力測定の可能性を模索した.高い時間分解能を持つカメラを用いれば,良好な結果を得られることが分かった.次のステップとして,圧力計測の可能性を模索した.機能性分子とコーティング材を配合して,圧力センサとしての感度特性を調べた.特性試験のために校正試験装置を作製した.配合比や温度依存性などについて系統的に整理した.次年度では圧力・摩擦力の同時計測の可能性を模索する.
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