研究概要 |
昨年度まで、圧力と摩擦力同時計測のために機能性分子センサの特性試験, 及び通風実験を行ってきた. 機能性分子センサのバインダとセンサの配合比について系統的な情報を基に, 低速流れから超音速流れまで幅広い実験条件に適した配合比を定めた. 2台のCCDカメラを用いた圧力・摩擦力同時計測システムを構築した. 実証実験では, 同時計測システムが有効であることを確認した. 今年度は, 全空気力計測システムの構築を目標にした研究を行った. 解決した課題は以下の通りである. (1)低速流れ実験における機能性分子センサのS/N比の低下, (2)超音速流れ実験におけるバインダ剥離, (3)非定常摩擦力分布計測, (4)データ処理の機能性向上, である。それぞれの成果は以下の通りである. (1)実験では多くの画像枚数を撮影した. その後, 画像平均化と画像処理によるノイズ除去を行い, 定性的な圧力分布を捉えることができた. 圧力, 摩擦力分布から円柱に作用する全空気力を測定できた. (2)超音速流れ実験でセンサが剥離しないように, 吸着力が強いものを試行錯誤により選定した. マッハ数2の流れで10回以上実験できた. (3)バインダの動的特性試験による系統的な情報を元に, ひずみ量を算出した. 使用したカメラの空間・時間分解能を考慮すれば, 十分な精度で非定常摩擦力計測が可能である. (4)各データ処理を統合したプログラムを作成して, 作業効率を向上できた. 以上の研究を通じて, 圧力・摩擦力同時計測, 全空気力計測システムとして提案できた.
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