研究概要 |
本年度は,提案している3次元リアクションホイールの,基本原理の確認,基本動特性の実験的確認,性能評価に供せる実験システムの構築を実施した. 磁気浮上および回転駆動を同時に実現する実験システムを構築した.電磁石および微小変位センサーを3軸制御可能な配置で固定し,専用電子制御回路を用意して球体の浮上回転制御を行った.その上で,ダイナミクス,システム重量の観点で実験的に評価を行った.本3次元リアクションホイールは,回転マスが球体であるが故に,慣性能率が低いという欠点を持つが,電力・システム重量の観点で,場合によってはゼロモーメンタムホイールとして使用することにより,この欠点を補いうる能力があることを確認した. 他方で,本3次元リアクションホイールは本来無重力化での使用が前提となるが,地上実験は1G重力下で実施せざるを得ない.そこで球体を空気浮上させることにより,重力補償を行いつつ,任意軸周りに回転制御が行える実験システムを構築した.これにより,本3次元リアクションホイールの根幹技術である,球体回転の制御技術を,他と非干渉化した状態で実験できる環境を整えることができた.さらに本実験システムを用いて,電力/発生トルク効率,蓄積角運動量の観点で実験的に評価を行った.
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