研究課題
本研究は、核融合炉の実現を目指す多くのプラズマ閉じ込め実験で使用されるシリコン半導体検出器について、定量的には未解明である核融合プラズマ生成中性子照射環境下での(i)中性子損傷に拠る半導体計測器の検出効率変化の物理機構を解明し、(ii)感度特性変化の定量化・一般式の確立を行うとともに、将来的には、(iii)これらの研究成果を基盤として次世代の耐放射線性に優れた素子を開発することを研究目的としている。本研究ではこれまでに、(1)我々が提唱し実証された半導体検出器新感度理論のキー・パラメータである信号電荷三次元拡散長、並びに空乏層厚が、中性子損傷を受けた半導体感度に対しても本質的パラメータであること、また(2)n型並びにp型半導体の中性子照射量に対するX線感度特性変化の差異が明らかとなってきた。本研究では、この両型の異なる振る舞いを統一して解釈すべく、両型の特性を決める半導体素子結晶の実効的不純物濃度変化・初期不純物含有量に着目している。中性子照射を受けた半導体は、発生する格子欠陥等により半導体バンドギャップ中に新たなエネルギー準位が生じるため一般的な電気的特性が劣化することが分かっている。このとき、新たな欠陥エネルギー準位の発生と実効的不純物濃度変化には強い相関があることが分かってきた。これらの素特性が異なるシリコン半導体素子について、「拡散長」並びに「空乏層厚」の中性子照射量に対する変化の評価を行うために、種々の異なる初期不純物濃度をもつp型・n型半導体検出器について中性子量依存性(中性子照射フルエンス量(時間積分量);0.1-100×10^<12>neutrons/cm^2)を調べた。
すべて 2007 2006
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