研究課題
本年度は物理量の観測のための測定機の開発(プローブハードウェアと測定回路)を行った。開発過程では、テスト用のプローブ(含テスト測定回路)を制作して九州大学応用力学研究所の直線磁場プラズマ生成装置にて初期的揺動計測を行った。強乱流場が現れる放電で、乱流トルクの生じる条件である波面の変調(小半径方向波数の符号が径方向で異なる)の観測に成功し、その波面変調と乱流レイノルズ応力分布と整合していることを見出した[1-5]。数値直線磁場装置によるシミュレーション結果でも同様の波面変調が見いだされ、計算物理と実験物理による統合研究に貢献した。上記の成功に基づき、多チャンネルシステムを開発し導入した。プローブはポロイダル方向に8ポート設置可能である。1ポートにつき6電極搭載し(計48電極)、3つの電極をポロイダル方向に並べ(ポロイダルモード数12まで対応)、残り3電極は小半径方向波数及び密度測定用とした。現在観測されている揺動の基本モードは最大3であり、4次高調波までポロイダルフーリエ分解可能である。本年度の実験によって、多チャンネル化について以下に記載する問題点が浮上したが、設計に工夫を凝らすことによって解決することが出来た。(1)電極挿入によるプラズマへの影響・18年度の実験で影響を調査し、電極配置の工夫により対応できた。(2)多チャンネル化による背景圧力の悪化:ケーブルを大気側に設置しアウトガスの影響を抑制できる設計を行った。(3)測定器設置レイアウト変更による測定系に付随するローパスフィルター効果の悪化:測定系を修正し、実際のプラズマ測定によって少なくとも80kHzまでは振幅と位相のずれが問題にならないことを確認した。並行して、データ解析の手法の研究を行い、乱流密度揺動から帯状流の線形分散の情報を抽出する方法を開発し、密度揺動のみを用いた帯状流研究に道を開いた[6]。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
日本物理学会2007年春季大会講演概要集第2分冊 第62巻・1号
ページ: 196
ページ: 226
RIAMフォーラム2006講演要旨
ページ: 31-34
Bulletin of 48th Annual Meeting on APS, Division of Plasma Physics, 2006
ページ: 118
プラズマ・核融合学会第23回年会予稿集
ページ: 17
プラズマ・核融合学会 九州・沖縄・山口支部第10回支部大会 研究発表論文集
ページ: 13