| 研究概要 |
巨視的磁気流体不安定性、乱流によって生ずる微視的揺動及びゾーナル流の多階層非線形相互作用のプラズマ閉じ込めへの影響を明らかにするために数値シミュレーションを行った。特に、磁気面を破壊する巨視的磁気流体不安定性の発生に着目し、巨視的磁気流体不安定性および微視的不安定性がともに線形不安定な平衡からシミュレーションを始めた。その結果、微視的乱流とそれに伴って生ずるゾーナル流が釣り合って形成される準平衡状態が得られた。そして、その後、多階層相互作用によりこの平衡の中に、微視的乱流の揺動から巨視的磁気流体不安定性が発生する過程をはじめて示した。この乱流とゾーナル流が釣り合った準平衡状態の中から乱流の揺動が巨視的磁気流体として成長する過程を示したシミュレーションは、従来の線形不安定性の成長から始まる磁気流体シミュレーションと本質的に異なる新しいシミュレーションである。そして、この研究は、実験で観測される巨視的磁気流体不安定性の描写に対してより現実的な新しい種類のシミュレーション研究である。
この結果を第21回国際原子力機関核融合エネルギー国際会議において発表した[1]。また、この結果は、Physics of Plasmasの2007年4月号に掲載予定である[2]。さらに、詳細な結果をまとめ、Nuclear Fusionに投稿、現在審査中である。
[1]A.Ishizawa, N.Nakajima, M.Okamoto, J.J.Ramos : Multi-Scale-Nonlinear Interactions among Micro-Turbulence, Magnetic Islands, and Zonal Flows, 21st IAEA Fusion Energy Conference, Chengdu, China, TH/P2-21,(2006).
[2]A.Ishizawa and N.Nakajima : Excitation of Macro-Magnetohydrodynamic Mode due to Multi-Scale Interaction in a Quasi-Steady Equilibrium Formed by a Balance between Micro-Turbulence and Zonal Flow, to appear Physics of Plasmas, Vol.14,(2007).
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