ヘリウム冷凍機を用いた極低温における微小崩壊熱測定装置の試作、試料発熱に対する応答試験を行った。Bi-2223をセンサーとした試作では、冷凍機温度を106Kに設定して、10mW程度の発熱の観測が可能であった。一方、V3GaおよびNb3Snをセンサーとした試作では、冷凍機温度を各々11.2K、13.6Kに設定して、1mW程度の発熱の観測が可能であった。測定可能な発熱量の下限を妨げる要因は、冷凍機自体の除熱量の揺らぎ、および発熱試料からセンサーへの熱伝達の2点である。各々、長時間測定による測定値の平均化や超伝導センサー配置方法の変更等による改善が見込め、本測定手法により放射化物の10μWオーダーの崩壊熱の測定が見通せると考えられる。
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