研究課題
鋼管及びヨーク材の磁化曲線と導電率の測定最適な検査センサの設計にあたり、鋼管と電磁気センサに使用するヨーク材の磁気特性(初期磁化曲線)の測定を行った。磁気特性の測定方法は、磁極間隔可変型電磁石に試験鋼材を挟み、0.04Hzの低周波磁場で一様に磁化を加え、試験鋼材に直接巻いたコイルで磁束密度Bを測定し、空間磁場Hはガウスメータのホール素子で測定を行った。また、磁極間隔可変型電磁石に試験鋼材を挟み、試験鋼材に直接巻いた磁束密度測定用コイルと、空間磁場測定用のホール素子を、数ミリピッチで移動させ、各測定位置でばらつく透磁率を測定した。さらに、どの程度の外部磁場Hの大きさで、ばらつきが低減するかについても評価した。その結果、今回使用した試験鋼材であるSUS430鋼では、初透磁率は最大で±21%のバラツキがあるものの、H=500A/m以上の磁場を加えると、均一化される事が分かった。同様に、ダブルブリッジ低抵抗測定回路の4端子測定点を、数ミリピッチで移動させ、SUS430鋼内の各測定位置で導電率がどの程度ばらつくかの測定も行った。この結果、最大で±1%程度の導電率のバラツキが存在する事が理解できた。三次元有限要素法による電磁界解析SUS430鋼管(外径25φ、管厚1.5mm)の初期磁化曲線、導電率、初透磁率のばらつき、導電率のばらつきの全てを考慮に入れた三次元有限要素法の交流非線形渦電流磁界解析の開発を行った。また、実際の鋼管に適用可能である寸法の内挿コイルの作製を行い、実験と解析の比較を行った。励磁コイルは202ターンとし60Hz、5Aの商用周波数を使用して鋼管の外面に作製したスリット状の欠陥(幅2mm、深さ0.5mm)を鋼管内面に配置させた検出コイルで検出が可能であるのかについて、数値解析と実験による比較を行った。その結果、この磁化条件では、初透磁率や導電率のバラツキに影響される事無く、鋼管の外面欠陥を検出する事が出来た。また本研究で開発を行った数値解析と検証実験により得られた検出信号は8%以内の誤差で一致する結果が得られた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
(社)実践教育訓練研究協会、実践教育研究発表会講演集
ページ: 111-112
実践教育、電気・電子・情報ジャーナル Vol.22, No.1
ページ: 38-41