研究課題
今年度は加速器に入射するビームと加速器のマッチングのシミュレーション、レーザーイオン源で発生するプラズマ測定及びビーム加速実験を行った。レーザープラズマからのビーム引き出し及び軌道計算を行い、レーザーイオン源から出射したビームとRFQ線形加速器のアクセプタンスのマッチングについて従来型直接プラズマ入射法と加速器内引き出し法について比較を行った。ビーム引き出し電極先端の位置が加速器空洞端の場合(従来型の直接プラズマ入射法)は、イオンが引き出された後加速電極に到達するまでに拡散し、時間変化する入射ビームのうち特に高いビーム電流領域においては加速器のアクセプタンスから大きく外れた入射ビームエミッタンス楕円となっていた。加速電極内に挿入(5mm)した場合においてはイオンが引き出されてから加速電極までの距離が短くなったため、加速電極に入射するビームの広がりが小さくなり、アクセプタンスとのマッチングが向上した。ビーム引き出し電極先端位置を加速電極開始位置に一致させた(10mm挿入)場合にはビームが引き出された直後に加速電極に到達するためビームが広がる前に入射し、加速器のアクセプタンスとのマッチングがさらに向上することを確認し、本方法の有効性を確認した。この結果を第5回加速器学会年会において発表した。ブルックヘブン国立研究所においてレーザーイオン源よって生成された炭素プラズマの測定を行いNd:YAGレーザーにより炭素6価を高効率で生成することを実証した。炭素6価イオンビームを用いた加速実験を行い、本方法によって10数mA級の大電流フルストリップ炭素イオンビーム加速を確認した。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件)
Proceedings of the 4rd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and the 32th Linear Accelerator Meeting in Japan 5
ページ: 509-511