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2006 年度 実績報告書

根の窒素吸収能力の種間差が植物の相対生長速度の多様性をもたらす機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18770022
研究機関国際基督教大学

研究代表者

大曽根 陽子  国際基督教大学, 教養学部, 研究員 (60407187)

キーワード窒素吸収能力 / 成長解析 / 物質分配 / 窒素 / モデル / 細胞サイズ / 展葉 / 根
研究概要

1.温帯の落葉樹5種、草本6種を用いた成長解析
温帯の落葉樹5種、草本6種を用いて以前にとった成長パラメータのデータを解析した。これらの種間では、根の窒素吸収能力には6倍、比葉面積(葉面積/葉乾重量)には2倍、葉窒素生産性(乾重量の増加速度/葉の窒素濃度)には約1.2倍の差があり、これらパラメータのそれぞれが成長速度に貢献しているはずである。しかし、これらのパラメータがどのように相互作用し、成長速度に関わっているのかを解析した研究はほとんどない。研究代表者は「バランス成長解析」を用いて、パラメータ問の関係を明らかにし、それぞれのパラメータの成長速度の貢献度を定量化した。この結果は現在論文投稿中である。
2.小笠原諸島の外来種、在来種を用いた環境変動に対する根の窒素吸収能力と展葉パターンの関係の解析
根からの窒素吸収が変化した時に光合成や展葉、葉/根比が変化するメカニズムを生理的な面からとらえるため、これらの性質に違いがあると考えられる、小笠原諸島における外来樹種のアカギと在来樹種のウラジロエノキ、ヒメッバキ、シマホルトノキを使った実験を行った。
それぞれの種につき約50個体を発芽させ、本葉が10枚程度出るまで低窒素条件(0.75mMN)で成育した後、25個体を高窒素条件(5mMN)に以降した。高窒素条件に以降後、3、10、21、28、35日目に光合成、および葉の窒素濃度の測定をおこない、45日後にはすべての個体をサンプリングして、各器官の乾重量、光合成、葉の窒素濃度、細胞サイズ、等を測定した。現在までに、種間には根の窒素吸収能力に違いがあり、根の窒素吸収能力の大きい植物ほど、窒素条件の増加に対して、乾重量、光合成、葉の窒素濃度、細胞サイズ、細胞数などを大きく増加していることがわかっている。今後は、実験時に包埋した葉のサンプルの切片を作成し、葉の解剖学的な性質にどのような違いがあるのかを観察する予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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