研究概要 |
1. AcaryochlorisゲノムDNAライブラリの作製 AcaryochlorisのゲノムDNAを調整後、平均断片長が2kbとなるように物理的剪断法でゲノムDNAを剪断し、藍色細菌Synechococcus7942株用に作製したターゲティングベクターに導入し、Acaryochlorisのゲノムを30周分カバーするゲノムDNAライブラリーを作製した。 2. 大規模スクリーニングシステムの開発 クロロフィルa(Chl a)とChl dの励起波長及び蛍光波長の違いを利用し、Chl dを選択的に励起する特定の波長を発するLEDを励起光に用い、CCDカメラを用いた受光部側には干渉フィルターを組み合わせることでChl dの蛍光を選択的に透過させ、大量のコロニーからChl dを発現する株を瞬時に識別できるシステムを開発した。 3. 藍色細菌の遺伝子移入株のスクリーニング 1で作製したAcaryochlorisのゲノムDNAライブラリーをSynechococcusへ遺伝子移入し、2で作製した大規模スクリーニングシステムを用いて、形質転換株のコロニーを約300,000個スクリーニングした。その結果、Chl d発現候補株を約70株した。 4. Chl aとChl dの互換性 Chl d型とChl a型の反応中心タンパク質の互換性を検証するために、Synechococcus7942の光化学系IのコアサブユニットをコードするpsaA、psaB、光化学系IIのコアサブユニットをコードするpsbA、psbD、及びpsbCをそれぞれAcaryochlorisの各遺伝子と置換した株を作製した。
|