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2007 年度 実績報告書

未知の光受容体シグナル因子による器官特異的な生長制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18770033
研究機関京都大学

研究代表者

小塚 俊明  京都大学, 大学院・理学研究科, 研究員(科学研究) (20402779)

キーワード光受容体 / 器官特異性 / 生長制御 / オーキシン / ブラシノステロイド / マイクロアレイ / 葉身 / 葉柄
研究概要

光受容体フィトクロムシグナルにおいて、生長を促進する器官(葉身や子葉など)と、生長を抑制する器官(葉柄や胚軸など)とで異なるシグナル伝達機構が存在するとその分子メカニズムはほとんど不明のままである。
平成18年度、我々は器官特異的に機能する、新奇フィトクロムシグナル因子の単離、探索のため、大規模なマイクロアレイ解析を実施した。その結果、葉身と葉柄とでフィトクロムシグナルに応答して発現変動する遺伝子群を明らかにした。さらに、これらを用いて統計解析と比較解析を行い、葉身において69遺伝子、葉柄において118遺伝子まで絞り込んだ。
平成19年度では、これらの遺伝子グループの分析を行った結果、葉柄ではフィトクロムシグナル、オーキシン、ブラシノステロイドの、3者間の相互作用が考えられた。そこで、この仮説を検証するため、フォトクロム変異体phyB、オーキシン変異体
doc1、さらにブラシノステロイド変異体rot3を用い、遺伝的相互作用を解析した。これらの解析により、フィトクロムシグナルによる葉柄特異的な生長制御には、(1)phyBシグナルによるオーキシン内生量の調節、(2)葉身から葉柄ヘオーキシン輸送、(3)葉柄におけるブラシノステロイドとオーキシンとの相互関係による細胞伸長、という複数のステップ制御の仕組みが明らかとなった。さらに、前述のマイクロアレイ解析の結果より、葉柄においてのみ発現変動するオーキシン関連遺伝子、ブラシノステロイド関連遺伝子が示された。これらは、葉柄特異的な未知のフィトクロムシグナルの有力な候補因子であり、本研究の重要な成果である。器官特異的な光受容体シグナル伝達機構を解明するため、鍵となる因子が明らかになったことから、器官特異的な発現ネットワークの分子メカニズムを解明に向け大きく前進することができた。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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