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2008 年度 実績報告書

少体節化した体制を示す介形類における形態形成遺伝子の発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 18770064
研究機関大阪教育大学

研究代表者

生田 享介  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30299367)

キーワード甲殻類 / 介形類 / ウミホタル / 胚発生 / 体制 / 体節性 / Hox遺伝子
研究概要

介形類ウミホタルVargula hilgendorfii胚を材料とし, Hox遺伝子ユニバーサルプライマーを用いたRT-PCR法によりホメオドメイン部分領域を増幅した結果, Hox3/zenを除く9つすべてのHox遺伝子およびcadとそれぞれ相同性を示すDNA断片が得られた. これらの塩基配列をもとに5'RACE法を行ったところ, 現在までに非翻訳領域を含くむ約1kb長の遺伝子断片Vh-lab, Vh-Dfd, Vh-ftz, Vh-Antp, Vh-Ubx, VH-abdA, Vh-AbdB1, Vh-AbdB2, Vh-cadが得られた. このうちVh-DfdおよびVh-Ubxについて,40-70%胚期を対象にホールマウントin situハイブリダイゼーション法による発現解析を行ったところ, Vh-Dfdは第3・第4頭部付属肢である大顎と第一小顎に, Vh-Ubxは第5肢と将来の第6肢に相当する領域に発現が見られた. 介形類では第5頭部付属肢である第二小顎が二次的に失われたという考えがあるが, 胚発生過程において前方の5対の付属肢が同調的に形成されること(Wakayama, 2007)や, 各体節の後区画で発現し体節性のマーカーとしてよく知られるengrailed遺伝子の発現パターン(Ikuta, 未発表)からはこの考えは支持されていない. しかし, 今回の結果からDfdが頭部で発現しているのに対し, 他の節足動物では胸部以降で発現することが知られているUbxが第5肢で見られたことから, ウミホタルの第5肢は胸部付属肢とみなされ, むしろ第二小顎を欠失したという考えを支持するものとなった.

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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