研究概要 |
今年度は特に,平成19年度以降に筑波山の集団で予定している遺伝的解析に必要な調査集団の設定を精力的に進めた。また,新たな遺伝子座においてマイクロサテライトマーカーの開発を行うため,マムシグサのゲノミックライブラリーを作成し,塩基配列の決定を進めている。既に試料が得られている長野県安曇野市堀金集団と石川県金沢集団の繁殖個体に関しては,乾燥葉サンプルからのDNA抽出を終了した。 1.茨城県筑波山における調査 筑波山頂御幸ヶ原付近の集団に永久方形区を設置して50個体の繁殖個体をマーキングし,個体分布マップの作成,性型およびサイズの調査を行った。遺伝子型解析用の試料として各繁殖個体から葉サンプルを採取し,シリカゲルで乾燥させて保存した。この葉サンプルに関してはDNAの抽出も行った。DNAの抽出にはQIAGEN社製DNeasy Plant Kitを用いた。一方,今年度は果実の成熟時期が早く,鳥類による捕食が著しかったことから,結実種子の採取は断念した。 2.マイクロサテライトマーカーの開発 既に開発したマーカーに加えて,新たな遺伝子座でマーカーの開発を進めている。濃縮法によりマムシグサのゲノム中からマイクロサテライト領域を含むDNA断片を濃縮してゲノミックライブラリーを構築し,クローン化したDNA断片の塩基配列決定を行った。本サブテーマは,来年度以降も継続して行う。 3.石川県金沢集団の解析 既に採取して乾燥保存してある葉サンプルからDNAの抽出を行った。抽出にはQIAGEN社製DNeasy PlantKitを用いた。
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