研究課題
本研究は、カルビンサイクルを構成している酵素の一つである藍藻ホスホリブロキナーゼ(PRK)の反応機構ならびに活性調節機構をX線構造解析によって解明することを目的とし、以下の実験を行った。藍藻Synecococcus由来PRKの大量培養系(BL21(DE3)plysS/pET16b)を構築した。精製手順は、藍藻PRKを大量に生産した大腸菌を破砕し、硫安分画、Niアフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーで精製を行った。その後、動的溶液光散乱法装置(DLS)を用いて、溶液状態でのサンプルの結晶化能を確認した。続いて、His-tagドメインを有した酵素を用いて、結晶化を行った。恒温インキュベータ(20℃と4℃)で、種々の結晶化条件の検討を行ったところ、PEG3350とisopropanolを沈殿剤として用いた条件で、0.2x0.2x0.2mm程度のX線回折実験に適した大きさの単結晶を作成することに初めて成功した。しかしながら、大型放射光施設SPring-8にてX線回折実験を行ったところ回折能3.8Å程度と、回折強度データの若干の改良が見られたものの、構造解析には不十分であった。次に、His-tagドメインが高品質結晶の育成を妨げている可能性を考慮し、ThrombinによってHis-tagドメインを切断し、さらに、PRKの本体をゲル櫨過クロマトグラフィーにより精製した。その後、結晶化を行ったところ、0.05mm程度の単結晶を作成することに成功したが、大きさが不十分であるため、更なる結晶の品質向上を自指し、溶液状態制御による品質向上を試みている。また、同時に、PRKの活性調節因子であるCP12タンパク質の発現系の構築にとりくみ、PRKとCP12の結合の確認をpull-down assayにて確認した。
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