研究概要 |
我々は、オリゴデンドロサイトに局在する酵素であるヒト脳由来膜結合型2',3'環状ヌクレオチド3'-ボスポジエステラーゼ(2',3'-Cyclic Nucleotide 3'-Phosphodiesterase、以下CNPaseと略)の触媒フラグメントの立体構造を解明した。近年、このヒトCNPaseの立体構造を初期モデルとして他の2Hホスポジエステラーゼスーパーファミリーの酵素のNMRによる立体構造解析が行われた(2007ratCNP:PDB ID 21LX、gRICH:PDB ID 2I3E)。今年度は、これらの新しく決定された類縁酵素の立体構造とヒトCNPaseの立体構造とを併せて解析した。我々がヒトCNPaseの立体構造を基にして作成した基質結合モデルにより塩基の結合に重要であると推定していたPhe235とVal321の立体構造上の位置とMRにより構造決定された金魚由来gRICHのPhe239とVal332の立体構造上の位置が等価な位置に保存されていることがわかった。このことから我々の基質結合モデルの推定の正しさとこれらのアミノ酸残基が塩基の結合に重要な役割を果たしていることが改めて示された。
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