研究課題
植物N-配糖体加水分解酵素エンド-β-マンノシダーゼの機能を解明するため、本年度は、研究実施計画に基づき、以下の二つの研究を進めた。エンド-β-マンノシダーゼ遺伝子に関連した変異体の作成を行った。エンド-β-マンノシダーゼがより多くあるいは少なく発現する強制発現体あるいはRNAiを引き起こす(ノックダウン)変異体シロイヌナズナをGatewayバイナリーベクター(理化学研究所植物科学研究センター出村拓博士より供与)を用いて作成することに成功した。強制発現体ではエンド-β-マンノシダーゼが150%程度に増加し、ノックダウン変異体では20〜30%に低下した植物体を得ることができた。強制発現体は野生型に比べ生長速度が速く、ノックダウン変異体では生長速度が遅い興味深い表現形を示した。現在、これらの変異体の糖鎖構造解析を進めており、本酵素活性と糖鎖構造の関係、生長速度との関係が明らかになることを期待している。また、テッポウユリ由来エンド-β-マンノシダーゼIIの精製、基質特異性、構造解析を行った.エンド-β-マンノシダーゼIIはエンド-β-マンノシダーゼと他のタンパク質が相互作用したタンパク質複合体である。陰イオン交換、ヒドロキシアパタイト、疎水クロマトグラフィーなどによりエンド-β-マンノシダーゼIIを精製倍率1,200倍にて精製した。精製酵素はエンド-β-マンノシダーゼ活性に加え、α-1,2-フコシダーゼ活性を持つことが判明した。相互作用しているタンパク質のアミノ酸配列解析を行うとビフィズス菌で見出されているα-1,2-フコシダーゼと相同性のある配列を有していた。現在、さらに詳細な基質特異性解析と対応遺伝子のクローニングを行っている。
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Journal of Biochemistry (in press)
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