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2008 年度 実績報告書

ナトリウムイオン駆動型細菌べん毛モーターの固定子における生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18770129
研究機関名古屋大学

研究代表者

小嶋 誠司  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (70420362)

キーワード蛋白質 / 分子モーター / 生物物理 / ナノマシン
研究概要

細菌べん毛モーターの回転は、イオン流に共役した回転子と固定子の間のダイナミックな相互作用で生じると考えられている。我々は、固定子の形や自己集合、固定子内のイオン流とそれに共役した回転子との相互作用を、生化学的手法により明らかにすることを目的として3年間研究を進めてきた。
海洋性ビブリオ菌は、菌体の極にNa^+駆動型の極べん毛を1本だけ生やし、そのモーター構成タンパク質は極局在する。我々は、GFPを融合させた固定子蛋白質PomAまたはPomBを用いて固定子の挙動をin vivoで観察し、固定子複合体のモーターへの集合解離が共役イオン(Na^+)に依存することを明らかにし、先日論文を発表した(Mol. Microbiol. 71 : 825-835, 2009)。昨年度はGFP融合固定子を用いて、我々が単離してきた、回転力を欠損する変異がモーターへ集合に関与しているかを検討したところ、回転子側のFliGの変異R317Dにより、固定子の極べん毛基部への集合が著しく阻害されることを見いだした。この結果は固定子の回転子周囲への集合において、回転子であるFliGがターゲットのひとつとして関与していることを示唆し、固定子-回転子相互作用を間接的であるが裏付けている。現在FliGにおける更なる変異導入実験により、FliGと固定子の集合の関係を詳細に調べている。
また、昨年度に引き続き固定子-回転子間の弱い相互作用を検出することを目的として、MF-20を用いた蛍光相関分光法(FCS)による解析系の立ち上げを行ってきた。膜タンパク質が関与する相互作用の解析のために、回転子側の膜蛋白質FliFと可溶性のFliGの相互作用をまず解析しようと試みている。現在、HiFの大量発現と粗精製、およびFliGの精製と蛍光標識まで成功した。これから実際のFCS解析を試みる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sodium-dependent dynamic assembly of membrane complexes in sodium-driven flagellar motors2008

    • 著者名/発表者名
      Fukuoka H, Wada T, Kojima S, Ishijima A, Homma M
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology 71

      ページ: 1825-835

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cell-free synthesis of the torque-generating membrane proteins, PomA and PomB, of the Na^+-driven flagellar motor in Vibrio alginolyticus2008

    • 著者名/発表者名
      Terashima H, Yoshizumi R, Koiima S, Homma M.
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry (Tokyo) 144

      ページ: 1635-642

    • 査読あり
  • [学会発表] Dissecting sodium-driven flagellar motor of Vibrio : Assembly, Structure and function2009

    • 著者名/発表者名
      小嶋誠司
    • 学会等名
      第82回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-03-14
  • [学会発表] 海洋性ビブリオ菌Na+駆動型極べん毛モーターの回転に必須なタンパク質MotYの結晶構造2009

    • 著者名/発表者名
      小嶋誠司
    • 学会等名
      第82回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-03-13
  • [学会発表] 無細胞タンパク質合成系を用いたべん毛膜タンパク質の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      小嶋誠司
    • 学会等名
      第46回日本生物物理学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-12-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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