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2006 年度 実績報告書

膜型マトリックスメタロプロテアーゼが形成する浸潤複合体の単離

研究課題

研究課題/領域番号 18770168
研究機関東京大学

研究代表者

後藤 勇  東京大学, 医科学研究所, 助手 (40323638)

キーワードマトリックスメタロプロテアーゼ / 核細胞質輸送 / 核外移行シグナル / メチオニン代謝 / RNAスプライシング / 多機能タンパク質
研究概要

マトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase、MMP)は細胞外において、細胞外マトリックス(extracellular matrix、ECM)を限定分解することでその代謝を調節する一群のタンパク分解酵素(プロテアーゼ)ファミリーである。当研究グループでは膜貫通型でかつ細胞質領域をもつ膜型MMP(membrane type MMP、MT-MMP)を世界に先駆けて同定し、MT1-MMPと名付けた。MT1-MMPは分泌型MMPと比べ、細胞周囲の微小な環境を調節すると考えられ、また多くのヒトがんにおいて発現が亢進しており、がん細胞の浸潤を誘導すると考えられている。本研究はMT1-MMPに結合する因子を単離同定し、それらの機能を解析することで、がん細胞浸潤の分子メカニズムの解明を目指すものである。単離した因子の一つは、MT1-MMPの細胞質領域に結合し、多様な生化学的活性を示すcupinドメインをもったヒト新規因子Human ADI1(hADI1)であった。
本研究ではhADI1に新規の核外移行シグナル(nuclear export signal、NES)を同定して、hADI1の核細胞質間の移動が制御されていることを見出した。さらにhADI1が核内マイクロドメインにおいてmRNAスプライシングの調節因子と共局在し、また実際に選択的スプライシングを誘導する活性があることを見出した。hADI1は細胞質においてメチオニン代謝酵素として機能することを昨年までの研究課題において示したが、本研究で同定した選択的スプライシング活性は、メチオニン代謝酵素活性を不活化しても失われず、メチオニン代謝における機能とは見かけ上独立の機能であることも示唆された。hADI1の細胞質や核内での機能がMT1-MMPによる細胞表層のタンパク質分解とどのように共役しているのかが引続きの課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Regulated nucleo-cytoplasmic shuttling of human aci-reductone dioxygenase (hADI1) and its potential role in mRNA processing.2007

    • 著者名/発表者名
      Gotoh I, Uekita T, Seiki M.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12・1

      ページ: 105-117

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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