研究概要 |
本年度は、c-Ablのアダプタータンパク質による活性制御の機構を分子生物学的に解析する研究とタンパク質を精製する技術の開発を進めた。 アダプタータンパク質Abiファミリータンパク質の分子種の違いを解析した。Abiファミリーは3つの分子より構成されるが、Abi-1,Abi-2はアダプターに結合する基質であるMena,WAVE2のリン酸化を促進し、Abi-3(NESH)はチロシンリン酸化を誘導できないことを示した。その分子メカニズムはAbi-1,Abi-2はc-Ablに結合できるが、Abi-3(NESH)は結合できないことによることを示した(FEBS Lett.,2006,580,6464-70)。これまでのc-Ablの活性制御で我々が明らかにしたことを中心にReviewを生化学に発表した(生化学,2006,78,521-525) また、これまで大腸菌、酵母の発現系では全長で発現できなかったタンパク質(Mena)を、哺乳類細胞である(CHO細胞)で迅速に発現精製するシステムを発明し論文発表した(Journal of Biotechnology,2006,126,463-474;Cytometry Res.,2007,in press.))。特許出願は前年度に行っている。 さらに、マウス初代細胞から特定の特殊細胞を構築する技術を開発し、破骨前駆細胞(BBRC,2006,350,97-104.)、増殖と分化の制御可能なB細胞前駆細胞(PCT出願(JST支援)出願番号:PCT/JP2006/322721)を創出した。
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