研究概要 |
今年度の研究実績は、Ablチロシンリン酸化酵素に関する総説をJournal of Biochemistryに発表した。これまで我々の研究グループが進めてきた、c-Ablに関する癌化への関与のモデルを詳細に説明したものである。また、アダプタータンパク質による酵素の制御に関わるCrk, Abiタンパク質のそのモデルデの位置づけも行っている。 また、Abl, Abi, Menaタンパク質の機能解析のため我々が開発したタンパク質発現システムについてもCytmetry Researchに総説を発表して、そのシステムの詳細を解説した。 本年度は、上記システムをつかったタンパク質の機能解析を重点的に行った。特にアクチン骨格を制御するAbiタンパク質のAblによるチロシンリン酸化部位の解析を、質量分析法と上記タンパク質発現システムを組み合わせて行った。その結果、Abi-1の2箇所のチロシンリン酸化部位を特定し、そのリン酸化がAblによる他の基質のリン酸化に重要であるとする知見を得た。この成果は平成19年の分子生物学会で口頭発表に採択され発表した。
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