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2007 年度 実績報告書

アサガオの花の色と模様のジェネティクスとエピジェネティクス

研究課題

研究課題/領域番号 18779007
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

森田 裕将  基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 特別協力研究員 (30435523)

キーワードアサガオ / 花色 / 模様 / ジェネティクス / エピジェネティクス / 遺伝子重複 / 転写後抑制
研究概要

アサガオの有色の花弁に白色または淡色の模様を生じる優勢変異体、吹雪(Blizzard)、車絞(Rayed)、覆輪(Margined)の模様形成機構の解明を行った。いずれの変異体でも、花弁色素の生合成酵素の一つであるDihydroflavonol 4-reductase(DFR)をコードするDFR-B遺伝子のmRNAの蓄積量が模様部分において低下している。各々の変異体のDFR-B遺伝子のゲノム構造の解析を行ったところ、吹雪と車絞では、両変異体の模様が大きく異なるにも関わらずDFR-B遺伝子は正常な1コピーと重複によって生じた逆反復構造を持つ2コピーの計3コピーからなる同一のゲノム構造であった。逆反復領域から転写されるヘアピンmRNAの二本鎖部分は、20nt程度の低分子RNAに代謝された後、相補する配列を持つmRNAの切断もしくは翻訳抑制に関わり転写後の段階で遺伝子の発現抑制に働くことが知られる。吹雪と車絞花弁の有色部分と白色または淡色の模様部分におけるDFR-B遺伝子のヘアピンmRNA量を比較した所、蓄積量に優位な差は観られなかったが、いずれの変異体の模様部分でもヘアピンmRNA由来とは異なるDFR-B低分子RNAが特異的に蓄積していた。これらのことから、模様部分に特異的に蓄積する低分子RNAが、DFR-B遺伝子の発現抑制を引き起こし、変異体の花弁に模様が形成されると考えている。また、古典遺伝学的な解析から吹雪と車絞の模様は複数の変異が関わり合って形成さると知られることから、DFR-B遺伝子以外の変異がDFR-B遺伝子の抑制に働く低分子RNAの産生に関わると予想している。覆輪については、吹雪と車絞の祖先型の逆反復構造を持ち約40kbからなるゲノム構造を持つことを明らかにしたので、吹雪と車絞と同様に模様形成の分子機構の解明を進めたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 花の模様とエピジェネティクス2008

    • 著者名/発表者名
      森田 裕将
    • 雑誌名

      "植物のエピジェネティクス"植物細胞工学シリーズ 24

      ページ: 81-84

  • [雑誌論文] アサガオとイネのDNAメチル化と遺伝子発現2008

    • 著者名/発表者名
      定塚(久富) 恵世
    • 雑誌名

      "植物のエピジェネティクス"植物細胞工学シリーズ 24

      ページ: 36-43

  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/gene1/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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