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2007 年度 実績報告書

イネの冠根形成を支配する遺伝子の単離と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18780002
研究機関名古屋大学

研究代表者

犬飼 義明  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (20377790)

キーワードイネ / 突然変異 / 根 / 発生・分化 / 遺伝子 / 分子機構 / オーキシン / ゲノム
研究概要

多収化を目指したイネの品種改良は、草丈を低くし倒れにくくすることによって成功を収めてきた。しかし、さらなる多収を目指し穂を大きくする上では、このような小さな植物体では種子を十分に実らせることができないと考えられる。そのため、現在は穂と同時に植物体全体を大きくする方向で品種改良が進められている。一方、単純に地上部のみを大きくすれば多収性が実現するかというとやはりそうではなく、水が十分にある水田においてさえ、従来の品種では晴れた日の日中に根からの吸水が蒸散に追いつかず、水ストレスが生じることにより光合成速度が低下することが報告されている。これに対して、多収性品種であるアケノホシは従来の品種に比べて地上部に対する根の割合が高く、従って吸水力が高くなるため日中での葉身の光合成速度を高く維持することができ、その結果乾物生産量が多くなるということが明らかになっている。このことから、収量を上げるためには地上部を大きくすると共に、根も多くすることが必要だと考えられる。
本研究では、イネの冠根数が著しく減少するcrl突然変異体を材料に用い、冠根を誘導する上で必要不可欠な遺伝子の探索を試みた。ポジショナルクローニング法によりCRL遺伝子の単離を試みたところ、第7染色体上に位置するシロイヌナズナのAINTEGUMENTA(ANT)と相同性の高い予測遺伝子内にナンセンス変異が認められた。そのため、この予測遺伝子がCRL遺伝子である可能性が高いと考えられ現在、それを確認するための相補性検定を進めている。今後はCRL遺伝子を過剰発現させることにより、冠根形成が誘導されるかを確認することで、根系形態の遺伝的改良における本遺伝子の有用利用性が評価できるものと期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Genotypic variations in responses of lateral root development to transient moisture stresses in rice2008

    • 著者名/発表者名
      Suralta, R. Roel
    • 雑誌名

      Plant Production Science 11(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification, of key root traits for adaptation of rice genotypes to various intensities of water stress2007

    • 著者名/発表者名
      Mana Kanou
    • 雑誌名

      Proceedings of The 2nd International Conference on Rice for the Future

      ページ: 216-220

  • [学会発表] イネcrown rootless変異体を用いた冠根形成機構の解析2008

    • 著者名/発表者名
      木富悠花
    • 学会等名
      日本植物生理学会第49回年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2008-03-22
  • [学会発表] イネの根の発生・分化を支配するCRL5遺伝子の単離2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤寛子
    • 学会等名
      日本育種学会中部地区談話会 第14回講演会
    • 発表場所
      信州大学農学部
    • 年月日
      2007-12-01

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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