研究概要 |
自家不和合性の安定度が異なるキャベツ(Brassica oleracea)2近交系統8個体とそのF_1系統4個体からゲノムDNAを抽出した。野茶研で開発したB.rapa由来のSSRマーカー(BRMSシリーズ)約96個(蛍光標識)について、キャベツ両親系統間で多型を示すマーカーのスクリーニングを行った。PCRのアニーリング条件を検討し、50℃で行うこととした。PCRによって増幅したマーカー数は57(増幅率59%)で、そのうち多型を示したものは18(多型率32%)あった。同じマーカーをB.rapaの分離集団に適応した際の増幅率は97%、多型率は48%であり、B.rapa由来のマーカーはキャベツにおいては増幅率、多型率が低いことが明らかになった。韓国から公開されているB.rapa BACクローンの末端配列からのマーカー開発を進め、現在までの200以上のマーカーを開発しており、B.rapaでの増幅を確認している。今後はこれらも含めてマーカーのスクリーニングを進める。簡易連鎖地図の作製のために100程度のマーカー数の確保を目標としているが、これに達しない場合はキャベツからのSSRマーカーの開発についても検討する必要がある。F_1系統よりF_2種子を採種し、両親系統、F1,F2約120個体を養成し、10月以降に葉数、結球形質等の調査を行った。形質調査した個体を網室に移植し、2007年春期に虫媒受粉法により各個体の自家不和合性程度を評価する予定である。
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