研究概要 |
本年度は以下の3点について、研究を行った。 1.画素内緑被率の分類:本研究では樹冠の表面温度から都市気候の特徴を分析すると共に,生物季節学図と比較考察することを計画している。そのための基礎的な分析として,樹木の葉密度と航空機リモートセンシングデータから得られる画素内緑被率の関係について,過去に撮影されたリモートセンシングデータの分析と現地調査から考察を行った。その結果を踏まえて,解析対象地区(予定)内の樹木について,画素内緑被率の算出結果から葉密度の分類を行った。 2.画素内緑被率の閾値の検討と夏季夜間の気温分布図の作成に向けた基礎的検討:熱赤外域の航空機リモートセンシングデータを入手した上で,1の検討結果と比較することにより,航空機RS観測により観測された値を樹冠の表面温度とみなすことができる画素内緑被率の閾値を検討した。その結果をもとに閾値以上の樹木についてのみ樹冠の表面温度を抽出し,現地調査を行ないつつ,表面温度分布の特性について考察した。 3.都市気候に関する基礎的分析として,主に衛星画像(TerraASTER熱赤外画像)を用いて,都市のヒートアイランド発生状況について考察を行った。同じ日に撮影された昼夜の熱画像を合成することにより,熱容量が大きいコンクリート・アスファルト、熱容量が比較的小さい木造住宅屋根(瓦など),水田と畑地などの違いが明瞭に示された。この合成画像を用いて,都市の規模,拡大・発展の歴史,周辺環境の違い,都市構造特性とヒートアイランドの関係について考察を行った。
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