研究概要 |
カンキツ類における効率的な半数体の誘導方法を確立するために,カンキツ野生種との遠縁交雑による半数体植物の誘導を試みた.‘南風'と‘チャンドラー'のカンキツ栽培品種とカンキツ野生種Citropsis schweinfurthiiとの属間交雑を行ったところ,‘南風'を種子親とした組合せから多くの小粒種子が得られた.それらをMT培地上に播種すると正常に発芽したが,貧弱な成長を示した.これらの実生について倍数性解析,踏PD分析およびCAPS解析を行った結果,すべての実生が二倍体の雑種あり,半数体は全く出現しなかった(Journal of the Akmerican Society for Horticultural Science.2006.131(6):764-769.). 次に,珠心カルスへの分裂阻害剤処理による半数体の誘導と半数体の部分ゲノムの導入を行うために必要となる珠心カルスの誘導を行った.多胚性を示すカンキツ類,すなわちウンシュウミカン,ポンカン,スイートオレンジ,キンカンおよびカラタチにおいて未熟種子からの珠心カルスの誘導を試みたところ,`青島'ウンシュウミカン,‘太田'ポンカンおよび二倍体と四倍体のニンポウキンカンで珠心カルスを誘導することができた.
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