研究課題
ハクサイとシロイヌナズナにおけるアブラナ科野菜類炭疽病菌の攻撃に対する応答遺伝子の解析をより詳細に行うため、シロイヌナズナ1.7Kアレイを構築した。現在、マイクロアレイを作製する際に鋳型DNAとしてcDNAクローンのPCR産物を用いている。しかし、数千のクローンからPCR産物を精製するには時間と労力が必要となる。そこで、作物におけるマイクロアレイをより効率よく行うため、鋳型DNAにプラスミドを用いたハクサイプラスミドアレイの構築を試みた。鋳型DNAにPCR産物またはプラスミドを用いたマイクロアレイ解析の結果、両アレイにおける発現プロファイルの相関係数は0.9と高い相関を示した。19年度は、ハクサイ2.OKアレイに完全長cDNAクローンのプラスミドを約5000個加えたハクサイ7.OKアレイの構築が終了した。また、シロイヌナズナにおいても炭疽病菌に対する抵抗性遺伝子を同定し、そのカウンターパート遺伝子がハクサイに存在することを明らかとした。これより、シロイヌナズナで得られた情報と知見がハクサイにおいても利用できることが示唆された。さらに、シロイヌナズナ1.2Kアレイを用いて、菌処理により誘導される遺伝子群の発現プロファイルとシグナル物質処理により得られた発現プロファイルの相関解析による、病害応答診断を行った結果、炭疽病菌に対する抵抗反応経路を推定することができた。今年度は最終年度となるため、ハクサイ7.OKアレイで得られた発現プロファイルをもとに、病害応答性遺伝子を1000〜2000遺伝子搭載した、ハクサイ病害応答診断アレイの構築を試みる。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件)
Plant and Cell Physiology 49
ページ: 68-80
Journal of Pesticide Science (印刷中)
岡山県生物科学総合研究所 平成19年研究年報
ページ: 81-87