研究概要 |
本研究はタカネグンバイ由来金属トランスポーターTjZNT1および2のニッケル耐性、および亜鉛・カドミウム輸送能の違いについて、両タンパク質の配列上の相違から解明を試みるものである。初年度となる今回は、TjZNT1およびTjZNT2の配列上で異なるN末端領域および原形質側に位置する膜貫通領域III-IV間部位(ICL3)の内、ICL3についてTjZNTIおよび2で置換したキメラ遺伝子遺伝子を作成し、その金属輸送能力について検討した。 TjZNTIおよび2の部分配列を増幅し、それらを組み合わせてTjZNT2のICL3を挿入したキメラTjZNT1、およびTjZNTIのICL3を有するキメラTjZNT2をそれぞれ作成した。これらを酵母発現用プラスミドpKTlOのGallプロモーター下流に挿入し、さらに作成したプラスミドを用いて酵母BY4741を形質転換した。コントロール(pKT10),TjZNTI, TjZNT2,およびそれぞれのキメラ遺伝子を有する酵母をニッケル過剰条件の培地にスポッティングしたところ、TjZNT1とキメラTjZNTI, TjZNT2とキメラTjZNT2はそれぞれ同じレベルのニッケル耐性を示し、ICL3の相互置換によるニッケル耐性能力の変化は認められなかった。さらに、TjZNT1のみが有していた亜鉛輸送能はICL3領域を置換しても失われず、キメラTjZNT2は輸送能を獲得していなかった。同様にキメラ遺伝子はカドミウム輸送能力についてもオリジナルの遺伝子と差異を示さなかった。以上のことより、TjZNTトランスポーターファミリーの金属輸送の違いは、ICL3領域の配列に依存しないことが確認された。今後はN末端領域における各種重金属輸送への関与について検討を進める予定である。
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