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2006 年度 実績報告書

バクテリオファージを介した高頻度・広宿主域遺伝子伝播

研究課題

研究課題/領域番号 18780055
研究機関大阪大学

研究代表者

見坂 武彦  大阪大学, 薬学研究科, 特任助手(常勤) (80397661)

キーワード遺伝子伝播 / ファージ / 水環境 / 細胞内遺伝子増幅
研究概要

ファージは,海洋,淡水,土壌等あらゆる環境に豊富に存在し,細菌間の遺伝子伝播のベクターとしての役割を担っている.これまでファージを介した遺伝子伝播の頻度は低く,宿主城も狭いため,1つのファージが細菌のゲノムに与える生態学的な影響は小さいと考えられていた.しかし,細菌のゲノム解析の進展により,細菌のゲノムにはファージ由来の遺伝子が多く含まれていること,これまで感染しないと考えられていたファージ由来の遺伝子が含まれていることが明らかとなってきた.本研究では,ファージを介した遺伝子伝播が高頻度にかつ多様な細菌種に起こることを明らかにし,細菌の進化における遺伝子伝播の寄与またそのプロセスの解明を進める.
本年度は,自然環境中から,Bacillus, Citrobacter, Enterobacter, Escherichia, Stenotrophomonasのファージを分離した.これらのファージを蛍光標識し細菌と接触させたところ,プラークを作らない細菌であっても,ファージが感染しゲノムDNAを注入することを明らかにした.また,自然環境中の細菌の90%以上は,通常の培養法では検出が困難であることから,外来遺伝子を獲得しても培養法では検出が困難である.そこで,独自に開発した細胞内遺伝子増幅法を用いて,ファージを介した遺伝子伝播の頻度をDNAそのものを標的として求めた.分離したE.coliファージが,プラークを形成しないCitrobacter, Enterobacter, Salmonella, Serratiaに感染し,さらに培養法に比べ10000倍以上高い頻度で,E.coliのもつ遺伝子を伝播することを明らかにした.以上のように,DNAのレベルでは高頻度にかつ幅広い細菌に遺伝子が移行することがわかった.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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