研究課題
酵素法によるD-アミノ酸及びその誘導体の新たな合成法の開発を目的として、自然界よりD-立体選択的アミノ酸アミド加水分解酵素(D-アミノ酸アミダーゼ)生産微生物の探索を行ってきた。そこから得られたBrevibacterium iodinumのD-アミノ酸アミダーゼはリジン、メチオニン、グルタミン、フェニルアラニン等の様々なアミノ酸のアミドのD-体のみを厳密に認識して加水分解する新規なアミダーゼであることを明らかにしている。本研究ではB.iodinum由来のD-アミノ酸アミダーゼを産業的に有用なD-アミノ酸の合成触媒として応用することを目的とした。Brevibacterium iodinumより精製したD-アミノ酸アミダーゼの部分アミノ酸配列の情報をもとに、本酵素をコードする遺伝子をクローニングし、大腸菌での発現系を構築した。目的とするD-アミノ酸アミダーゼを発現した組換え体の培養条件を種々検討し、酵素活性を最大にするような条件を見出した。高活性菌体から本酵素を単一に精製し、酵素化学的な諸性質を元株より精製したD-アミノ酸アミダーゼと比較検討した。高活性組換え大腸菌菌体あるいは精製酵素をアミノ酸アミドラセマーゼと用いることにより、ラセミ体アミノ酸アミドのダイナミックな光学分割によるD-アミノ酸の合成を検討した。
すべて 2007 2006
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