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2006 年度 実績報告書

アミロプラストの分化・糖代謝の機序解明を目指したデンプン生合成制御因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18780067
研究機関北海道大学

研究代表者

濱田 茂樹  北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (90418608)

キーワードイネ培養細胞 / デンプン生合成 / スクロース誘導 / プロテオーム
研究概要

本研究では,イネ培養細胞を用い,これまで植物体を用いた解析では困難であったデンプン生合成の誘導とそれに伴い変化するタンパク質の追跡によって、デンプン生合成系を制御するタンパク質の同定を目的とした.
イネ懸濁培養細胞を培地中のスクロースを除去して同調させた後,スクロース再添加の有無によりデンプン生合成を誘導した細胞(+Suc細胞)と誘導しない細胞(-Suc細胞)を調製した.両細胞抽出液をパーコールを用いた密度勾配遠心分離に供し,アミロプラスト画分を調製した.得られたアミロプラスト画分をSDS-PAGEに供したところ,両細胞間で発現量に差の見られるタンパク質が検出された.しかし,量的な問題を克服できず,タンパク質の同定には至らなかった.そこで,全細胞粗抽出液を陰イオン交換カラムにより分画後,二次元SDS-ポリアクリルアミド電気泳動に供し,両培養細胞間で発現量に差異のあるタンパク質を検出した.+Suc細胞では41スポット,29種類のタンパク質を,-Suc細胞では21スポット,7種類のタンパク質をMALDI-TOF MSにより同定した.+Suc細胞で同定したタンパク質は,解糖系やクエン酸回路に携わる酵素,タンパク質輸送に関わる熱ショックタンパク質(Hsp)等のシャペロンタンパク質,ユビキチン等のタンパク質分解に関わるものであった.一方,-Suc細胞では,ほとんどがα-amylaseであった.シャペロンタンパク質を含む数種のタンパク質について,培養細胞および登熟種子におけるmRNA蓄積量を調べた.Hsp70,Hsp82およびstress induced protein 1はタンパク質のプラスチド輸送に関与することが報告されているが,これらのタンパク質の発現がスクロースによって誘導されることを明らかにした.
今後は、タンパク質のリン酸化による種子貯蔵物質蓄積の制御に着目し、イネ登熟種子におけるリン酸化タンパク質の網羅的解析および、今回同定されたタンパク質の機能解析を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Catalytic implications of the higher plant ADP-glucose pyrophosphorylase large subunit.2007

    • 著者名/発表者名
      Seon-Kap Hwang et al.
    • 雑誌名

      Phytochemistry 68

      ページ: 464-477

  • [雑誌論文] The N-terminal region of the starch-branching enzyme from Phaseolus vulgaris L. is essential for optimal catalysis and structural stability.2007

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Hamada et al.
    • 雑誌名

      Phytochemistry (In Press)

  • [雑誌論文] ATP binding site in the plant ADP-glucose pyrophosphorylase large subunit.2006

    • 著者名/発表者名
      Seon-Kap Hwang et al.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 580

      ページ: 6741-6748

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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